「若さや経験は気にしない」
フロントが主導する形で推し進められた世代交代。その象徴が昌子であり、全34試合で先発を果たした昨シーズンは、大津高校から入団して2年目の植田直通と最も多くセンターバックのコンビを組んだ。
「若いとか経験がどうこうとよく言われますけど、僕とナオ(植田)はそういうことをあまり気にしない。お互いをカバーし合って、お互いの長所を生かし合っている。ナオは人に強いし、その武器を最大限に生かすには僕が背後をカバーしてあげるのが一番いい関係だと思っている」
高さと強さに加えて経験が求められるポジションにおいて、合計年齢40歳のセンターバックコンビは異彩を放った。しかし、試合を重ねながら、昌子はこんな思いも募らせていた。
「連戦が続くと自分のいいパフォーマンスができる試合も限られてくるし、どうしてもベストコンディションで迎えられない試合も多くなる。非常に難しい状況でディフェンスラインを率いていく中で、僕自身はなかなか先輩と組む機会がなく、急に後輩を僕が支えなければいけない立場になった。いろいろな難しさというのは正直、覚えました」
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