ドイツW杯日本戦で得点した選手も監督に
ジョン・アロイジ、日本のファンには馴染みが深い名前であろう。あの“カイザースラウテルンの悲劇”で、完全に日本の息の根を止めるゴールを決めたFWも今や39歳の青年監督。そのアロイジを含んで、Aリーグでは今季6人の豪州人監督が指揮を執る。
そのうち、アロイジとトニー・ポポヴィッチ(42・WSW)、ケヴィン・マスカット(42・メルボルンV)、グラアム・アーノルド(52・シドニーFC)の4人は、かつてサッカルーズの中核をなす選手だった。アーノルド、ポポヴィッチの両名は、サンフレッチェ広島で同時期にプレーしていたことを知るファンはどれくらいいるだろうか。
昨年、仙台で監督も務めたアーノルドを除く3名は、ハリー・キューエルやマーク・ヴィドゥカらと現役時代を共にした、いわゆる豪州の“黄金世代”に属する。
アロイジ以外の3名は、既に指導者としても確固たる成果を残して、いわゆる“名将”の肩書を手にしている(しつつある)。それに比して、アロイジは初めて監督として指揮したメルボルン・ハートで大きな蹉跌(筆者注:2季に渡って19戦勝ち無しなどの成績低迷で解任)を経験。
そして、臥薪嘗胆を経てようやく掴んだセカンドチャンスである今季に賭ける思いは非常に強い。一旦は存続の危機に陥ったチャンピオンクラブを再生させれば、自身に貼られた「凡将」のレッテルを剥がし、自らの指揮官としての評価も再浮上させられるとの思いは当然あるだろう。