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退場者を出しながら3発快勝。磐田の名波監督、2点目は「はしゃいでしまった」

text by 編集部 photo by Getty Images

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名波浩監督【写真:Getty Images】

 明治安田生命J2リーグ第39節が1日に行われ、ジュビロ磐田は東京ヴェルディに3-0で勝利した。

 前半から東京Vに主導権を譲っただけでなく、24分には相手のシュートをゴールぎりぎりのところで防いだ森下俊が、ハンドの判定で一発退場を宣告される。そして、このプレーで東京VにPKが与えられた。だが、磐田はここで踏みとどまる。南秀仁のキックをGKカミンスキーが足でブロックし、窮地を救った。

「この試合の大きなポイント」と名波浩監督は振り返る。数的不利に加えリードまで奪われれば、磐田としては痛いダメージとなっていただけに、ポーランド人守護神のビッグセーブはチームに活力を与えた。

 そして49分、10人になってからボールを持つ時間を長くし、味方のために時間を作っていた小林祐希がタイミングよくパスを出す。そこへ川辺駿が反応すると、一気に加速し対峙するDFを抜き去り、ゴール天井へ豪快にシュートを突き刺した。

 これで余裕を得た磐田はその後、手数をかけずにアダイウトンを使うようになる。61分、コンビネーションから左サイドを突破すると冷静に沈めて2-0。さらに69分にも素早く前を向いた川辺のスルーパスに再びアダイウトンが抜け、3点目を挙げた。「ちょっとサボりながら前に出るタイミングをうかがってくれ」と指揮官から伝えられていたブラジル人アタッカーが、試合を決めた。

 特に2点目に関して名波監督は「いい展開からのいいゴールだったので、はしゃいでしまった」と笑った。

 名波監督は選手たちに前がかりになっていくことを求め、その姿勢は退場者を出す苦しい展開になってからも貫かれた。

「前の推進力、ゴールに向かう姿勢というものが今まで我々が求めてきたもの。それが一人少なくなってさらに色濃く出るということは、自分たちには勝ち点3しかないという志があったからではないか」

 磐田は自動昇格圏内の2位をキープした。3位のアビスパ福岡も勝っており、仮にこの試合に引き分けていれば勝ち点で並ばれ、敗れていたら順位は逆転されていた。

「10人だろうと9人だろうと、とにかくシュートに持っていかないと勝ち点3は取れない」とあくまで勝利にこだわった指揮官。それに選手たちがしっかりと応えた形だ。

 相手の勢いに押されることなく、劣勢の展開から3点を奪って快勝した。かつて国内最強とも称された磐田は、J1復帰への階段をまたひとつ登った。

【了】

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