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香川真司 9年前

「然るべき3ゴール」。システム変更による改善。ドルトムントが示した戦術的柔軟性

text by 本田千尋 photo by Getty Images

支配率73%。カウンターにも見事に対処

 特に、バイグルのワンボランチから、ギュンドアンとバイグルのツーボランチに変わったことが重要となるだろう。前半に何度もSBの裏を取られたが、ツーボランチを敷くことで、より広いスペースをカバーできるようになった。ディフェンスは安定し、BVBは敵陣で高いポゼッションを実現する。バイグルは言う。

「僕たちは敵陣でボールを奪い、テンポを回復させることができた。多くのゴールチャンスを生み出したし、然るべき3ゴールを達成したんだ」

 53分。フンメルスのロングボールに、香川が裏に抜け出し、オーバメヤンもゴール前に詰めるが、オフサイド。

 65分。センターサークル付近で、香川からのパスをギュンドアンがダイレクトでロイスに送る。オフサイド。

 最後に71分、右サイドだった。ムヒタリヤンのパスに、ロイスが抜け出す。3-1。

『キッカー』電子版のデータによれば、最終的には73%のポゼッション率を記録して、ドルトムントはブレーメンを下した。

 ブレーメンのような、引いた相手は、もはやドルトムントにとって見慣れた相手となりつつある。そしてブンデスリーガで下位である相手との力関係に差があったとは言え、引いて固める相手に対するゴールは、3得点を奪ったように必ずしも難しいものではなくなってきている。加えて対ブレーメン戦では、布陣変更でカウンターにも見事に対処した。

 BVBが戦術的柔軟性で相手を上回った、ブレーメン戦だった。

【了】

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