ベニテス監督が選択したシステム変更
しかし、今季は同じく下位に沈むスポルティング・ヒホンとマラガ0-0、グラナダに勝利したものの1-0と苦戦を強いられていた。そのため、極端に引いて守ることが予想されるチームに対して手詰まりとなる可能性もあった中で3得点を奪った。
さらに第9節の相手セルタは対戦前の時点で2位とサプライズともいえる好スタートを切っていた相手だけに、この3試合の結果は今後の戦いにおいて大きな意味を持つものとなるだろう。
では、なぜこの世界選抜ともいえる前線の4人中3人を欠きながらマドリーは得点力を回復できたのか。そのポイントとなるのは、前線ではなく中盤だった。
今季、監督に就任したラファエル・ベニテス監督は開幕から4-2-3-1を採用。前述の通り、中盤2枚にはモドリッチとクロースが起用されていた。その後、ハメスとベイルを失ったベニテス監督はアンカーを配置した4-1-2-3に変更。
その初戦となった第6節マラガ戦ではクロースがアンカーに、イスコがモドリッチとともにインサイドハーフに起用されたが機能したとは言い難い結果となった。
このクロース、モドリッチ、イスコというトリオは攻撃面において抜群に高い能力を持った3人ではある。ただ、やはりバランスという意味では少々偏りすぎている印象も残していた。
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