ハメス、ベイルの負傷で得点力は大きく低下
得点力を上げるために必要なこと――。
全体の重心を前掛かりに押し上げる、前線に多くの人数を割く、長身の選手を最前線に置きロングボールを放り込む…。その他にも“攻撃的”とされる戦い方は多くの選択肢があるが、それらが必ずしも結果に結びつくわけではないのがサッカーであり、この競技の奥深さでもある。
数多あるサッカークラブの中で、何十年の時を経て、いかにメンバーが入れ替わろうとも常に攻撃的で多くの得点を求められるクラブが存在する。それがレアル・マドリーだ。
開幕前、マドリーのスタメン予想では前線にクリスティアーノ・ロナウド、カリム・ベンゼマ、ガレス・ベイル、ハメス・ロドリゲスが並び、中盤にはルカ・モドリッチとトニ・クロースが据えられていた。
これだけの面々が揃えば圧倒的な得点力が期待されるのは当然であり、彼らはその期待に応えるために世界各地から集められたともいえる。実際、開幕戦のスポルティング・ヒホン戦こそ攻めに攻めながら0-0に終わったものの、続く第2節ベティス戦では5-0、第3節エスパニョール戦では6-0と大量得点を叩き出していた。
しかし、ハメス・ロドリゲスとベイルが負傷で戦列を離れると、得点力が低下。その後の4試合で奪った得点数は4と大きく落ち込み、スペイン国内では早くも新監督に懐疑的な目が向けられる動きも出てきていた。
さらに追い討ちをかけるように第8節以降はベンゼマも負傷。件の4試合で4得点すべてを奪ったのは他でもないベンゼマ。この背番号9を欠くことは、攻撃への懸念をさらに膨らませるものだった。
ところが、そのベンゼマを欠いた直近3試合はすべて3得点を上げての勝利。第8節のレバンテ、今節のラス・パルマスはともに降格圏に沈むチームだけに圧勝は当然とも感じられる。