昌子源【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】
ヤマザキナビスコカップ決勝が31日に行われ、鹿島アントラーズはガンバ大阪に3-0で勝利し、6度目の同大会制覇を成し遂げた。
G大阪の強力な攻撃陣を完封できた要因の一つに、パトリックに仕事をさせなかったことが挙げられる。対峙した鹿島のDF昌子源は「僕が負けたらチーム自体がやられると思っていた」と、強い覚悟で試合に臨んでいた。
以前、昌子はパトリックを「右利きのダヴィ」と表現したことがある。恵まれた体格と、それに似合わぬスピードを備えるストライカーとのマッチアップに、鹿島の背番号3も苦しめられてきた。
だがこの日は終始、自身が優位な立場で対応できた。その理由に昌子はパトリックの精神面を挙げる。
「イラついたら本来のプレーができないというイメージが、特に外国籍の選手にはあります。でもパトリック選手は穏やかで、怒っているイメージがない。だからそういう駆け引きも難しいかなと思っていたんですけど、今日の試合に関してはすごい怒りを感じていたようで、少しずつ僕と(ファン・)ソッコのペースに誘い込めたのかなと」
鹿島が相手を押し込んだことで、パトリックは前線で孤立がちになった。また判定に怒りを露わにする場面も多く、平常心を失っているようだった。一方、昌子は90分間冷静さを保ちながらパトリックに対応し、優勝に貢献した。
鹿島の完勝は、昌子がパトリックを封じ込めた結果でもあった。
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