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Jリーグ 9年前

山形、1年でJ2降格も…石崎監督の続投に見える「責任」の取り方。地方クラブに植えつけた我慢の精神

text by 藤江直人 photo by Getty Images

ぶれない石崎監督の哲学。選手も臨んだ信念

 たくましく変貌していく川西の姿に刺激されるように、フィジテクに参加する選手が増えてくる。J2は原則日曜日にリーグ戦が行われ、月曜日にクールダウンとBチームの練習試合が行われ、火曜日のオフを経て水曜日から週末の試合へ向けた練習を再開させる。

 石崎監督は水曜日に午前・午後の2部練習を実施。続く木曜日の午前中に全体練習を行い、午後を指名練習日とするサイクルを、シーズンを通して一度も崩さなかった。

 26歳以上の選手もすすんで指名練習に参加し、グラウンドが活況を呈するものの肝心の成績が伴わない。10月に入り、シーズンの4分の3を終えても連勝はゼロ。順位も10位前後をうろついていた。

 横浜F・マリノスで強化部部長、強化部スカウト担当部長などを歴任し、石崎監督と同じく2014年シーズンからモンテディオのテクニカルダイレクターに就任していた石井肇氏は、蒸し暑い夏場を迎えたある日に石崎監督に対してこう進言した。

「練習量が選手たちのキャパシティを超えているんじゃないですか」

 石崎監督は首を横に振りながら、笑顔とともにこんな言葉を返してきた。

「ワシは砂場のトレーニングをやりたいんじゃ」

 足場の悪い砂場でさらにハードなメニューを追加したいと望む指揮官の姿を見て、石井テクニカルダイレクターも覚悟を固めたという。

「そこまでぶれることなく哲学を貫くのならば、この先どうなるのかを逆に見てみようと。選手たちの消耗が激しかったならば話は別ですけど、全員が石崎さんに食らいついて、ハードな練習を望んでいた。サッカーに対して真摯に向き合う選手たちの姿勢と、選手たちを鍛えて強くさせたいと望む監督の信念。車で例えれば両輪がすごくいい状態で回転していたので」

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