キエーボ戦は途中出場が濃厚の本田。途中出場でアピールを
さて、チェルチにミハイロビッチ監督は「復活したわけではない。まだ彼は頭と態度の面で鍛えられなければならない」と語っている。戦術上のディシプリンに欠けるということだ。
そしてキエーボ戦は、それを測るためのバロメーターとなりうる。あまり目立たないが、今シーズンの彼らは非常に組織的で良いサッカーをしている。ゾーンの形成もプレスもコンパクトで、攻撃に切り替わってもサポートが速い。
前節はナポリが対戦してイグアインのゴールで競り勝ったが、並み居る強豪をズタズタにした彼らをキエーボは長い時間にわたって抑えていた。
前節は10人のサッスオーロに中盤を支配されていたミランだったが、同じ調子でいくとキエーボに走り負けることだろう。そうなれば、組織守備の意識の高い本田はやはり必要だという流れになるのかもしれない。
だからこそ昨季、フィリッポ・インザーギ前監督はチェルチではなく本田を選択したのだが、現状ミハイロビッチはそれを知りつつあえて逆の選択をしている。チェルチのスピードと突破力が、多少守備力に目をつぶっても必要だと思っているからだ。
本田にとってポジション争いに勝つ道とは、やはり攻撃面でのプラスアルファをアピールするほかはない。ただ戦術上ワイドに開かされ、距離感を縮められない状態でどうしようというのか。単独で仕掛けるか、そうでなければサイドからゴール前に飛び出し、ミドルパスを引き出してゴールに絡むという形を繰り返すほかはないと思うのだが…。
とりあえずキエーボ戦で、途中出場のチャンスはあるか。FWが早めに投入される場合は、いずれにせよ点が欲しい時。今後のアピールに直結するための条件としても、目指す結果はシンプルだ。
【了】