“興醒めの期間”の解消へ。今こそシーズン移行の議論を
もっとも、今後も同様の変則スケジュールが繰り返されれば、改革そのものが水泡に帰す恐れもある。
来シーズンの開幕を史上初めて2月最終週に前倒しして、過密日程を解消させる案がJリーグの実行委員会内で話し合われたという報道があったが、たとえ実現に至っても根本的な解決策にはならない。たとえ1週間でもオフが短くなることは、選手のコンディションにもマイナス効果を及ぼすはずだ。
しかも、FIFA(国際サッカー連盟)が定めるカレンダーでは、すでに2018年まで9月、10月、11月に国際Aマッチデーが2日ずつ組み込まれている。2019年以降も、おそらく変わることはないだろう。
FIFAクラブW杯を今後も日本で開催していくことを前提として考えれば、12月第1週をもってチャンピオンシップを終えるスケジュールも簡単には動かせない。
ならば、今後も毎年秋、特に11月に生じる“興醒めの期間”を解消する最も有効な手段は、長年の懸案事項となっているシーズン開始時期の移行となるのではないだろうか。
ヨーロッパの各国リーグにならって、秋というよりは夏場の8月にファーストステージを開幕させる。9月、10月、11月と代表戦による空白期間が生じるが、セカンドステージからチャンピオンシップへと至る過程で、何度も中断を余儀なくされるよりはマイナス効果を抑えられる。
ナビスコカップもシーズンと同時進行で予選リーグを開始し、年明けから決勝トーナメントに突入。セカンドステージ終盤で、かつ国際Aマッチデーが設けられる予定のない4月もしくは5月に決勝戦を行う。
実際、Jリーグは2013年6月に開催したJ1・J2臨時合同実行委員会で、現状の春秋制シーズンをヨーロッパに合わせた夏春制シーズンへ「然る時期に移行する」ことで合意している。