エースに批判集まるも…アウェイのマドリー戦で勝利なら礼賛?
冒頭のマドリー戦では、試合中からサッカー解説者や評論家たちがツイッターに「なぜブランはイブラに固執する?」「ブランはいつまでイブラを外せないのか」とつぶやき始め、試合後のダイジェスト番組や翌日の報道でもイブラのパフォーマンスを疑問視する意見が占めた。
ドローの原因がイブラ一人にあったわけではもちろんない。しかし、パストーレの起用や昨季の中盤あたりから得点力の増しているカバーニを主砲として使う、といった他のオプションがありそうな状態でも彼に固執することに対してのもどかしさが、こういう場面で露出するのだ。
そんな中、ブラン監督が指摘したのはディ・マリアのパフォーマンスだった。「我々のプレー哲学をまだ体得していない。彼がこれまでプレーしてきたチームとはスタイルが違うから、時間がかかるのは仕方のないことだ。彼の入団に際し、皆がこれでPSGがCLに優勝できると期待した。そのプレッシャーは並大抵ではない。それを取り除いてやる必要がある」
デビュー戦のモナコ戦で、ハーフライン付近からの縦パスでラベッシのゴールをアシスト。CLシャフタール・ドネツク戦では、精度の高いCKからダビド・ルイスが得点と、随所で光るプレーを見せてはいるが、期待が高かっただけによりインパクトのあるパフォーマンスがディ・マリアにも求められている。
そしてイブラ本人は、「自分がエースだ」というスタンスを失うことなく、25日に行なわれた11節のサンテティエンヌ戦でも堂々とスタメンでピッチに立った。
後半開始直後の48分、豪快な突破からゴール前で相手GKを引きつけておいて左に横パス。並走していたカバーニに決めさせると、67分には今度はお返しとばかりにボックス内に詰めたカバーニがイブラにアシスト。両者仲良く、今季7得点目をマークした。
注目は、11月3日のマドリーとの再戦だ。ブラン監督がカバーニ―イブラ―ディ・マリアの3トップを投入するのはほぼ確実。批判されればされるほど燃える男イブラがサンティアゴ・ベルナベウで得点し、チームに勝利をもたらすことにでもなれば、メディアは一転、イブラ礼賛に傾くのだから。
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