選手にそっと付き添う指揮官の包容力
アウクスブルク戦の90分に、香川がペナルティエリア内でギュンドアンからボールを引き出して、相手4人に囲まれながら、オーバメヤンの5点目に繋がるパスを出したシーンは、このロンドの再現のようである。
トレーニングは最後に(3)「コンビネーションからのシュート練習」で終わった。試合の翌日の練習ということもあるのだろうが、トゥヘルは最後まで声を荒げることもなく、細かく指示を出すこともなかった。選手たちに、そっと付き添っている、といったところだ。
アウクスブルク戦の後で香川は、トゥヘルの自身へのアプローチについて「本当に監督も信頼はすごくしてくれていると感じる」と話した。
チームがアルクスブルクに5-1で大勝し、ブンデスリーガで2位と好調を維持していることもあるだろうが、そう香川の感じるトゥヘルの「信頼」がトレーニングの全体を覆っているようだった。
トレーニングが終わった後、ラモスはシュテンツェルの右からのクロスに合わせて、シュート練習を続けた。パクは1人でゆったりとジョギングする。ブラッケルの日差しは暖かく、穏やかだった。
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