新たなポジションで見出した役割とは?
しかしそんな中、本田はウイングとしてもう一つの役割を試みていた。サイドから飛び出し、ゴール前に絞ってクロスやミドルパスの標的となる動きだ。前半はインテルのDFにうまく回り込まれていたものの、幾分距離感が修正された後半では、動いたところにパスが来る回数が増えた。
ケビン・プリンス・ボアテンクからのスルーパスから抜け出して放った後半11分のシュート、右クロスに飛び込んで合わせた同21分のシュート。それぞれのビッグチャンスは枠に収めて欲しかったが、意図通りに動いてパスを引き出し、ゴール前で触れたという意味では悪くなかった。
その後の練習で、ミハイロビッチ監督が引き続き本田をテストしてるというのなら、そういった部分が期待されてのことだったはずだ。逆サイドのチェルチにはこういった動きは皆無。ベルルスコーニ杯では漫然と足元にボールを置かれては、長友佑都に張り付かれていた。
もっともそのチェルチもベルルスコーニ杯では前半でお役御免となり、本田は長い時間引っ張られて使われている。チェルチの交代がサッスオーロ戦に向けた温存という意味合いなら、本田の先発起用は難しそうだが…?
とにかく左なのか、チェルチと争った末に右なのか、それともベンチなのか。24日の記者会見でミハイロビッチ監督は「自分はまだ何も決めていない。最終的な練習でどうかを判断したい」と語っていたが、その決断に注目したい。
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