苦難の連続だった若手時代。セルタ移籍が転機に
遅咲きの苦労人。すでに何度となく使い古されてきた二つ名だが、今スペインに誰よりも相応しい男が存在する。
今季、開幕から快進撃を続けるセルタ。そこで最も重要なピースとしてチームを牽引しているのが10番のノリートだ。そのノリートは1986年10月15日生まれの29歳。ただ、ここまでのキャリアが順風満帆だったかというと決してそうではない。
08年に加入したバルセロナではトップチームに定着出来ず、11-12シーズンにベンフィカへ移籍。初年度こそ29試合で11得点と一定の結果を残したものの、翌12-13シーズンには出場機会を減らして前半戦6試合出場でわずか1得点。冬の移籍市場でグラナダへレンタル移籍してスペインへ帰国した。
グラナダでは2月からの後半戦で17試合に出場したものの、得点数は3。十分な結果を残せたとは言い難かった。そしてそのオフ、もはや戦力として計算していないベンフィカは、1部昇格1年目に17位でなんとか残留を果たしたセルタに260万ユーロ、現在のレートで3億5000万円という金額で売り渡した。
しかし、この移籍がノリートにとって転機となった。このセルタで、バルセロナB時代の指揮官であるルイス?エンリケ監督(現バルセロナ)と再会。主に4-2-3-1の左ウイングとして起用され、35試合で14得点という活躍を見せた。
さらに翌14-15シーズン、つまり昨シーズンにも36試合で13得点を記録し、14年11月には28歳でスペイン代表デビューも飾っている。
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