“カウンター”は攻撃パターンの1つ
しかし、その他の項目を見てみると、チャンスメイク数11回:14回、クロス本数:12本:15本、ドリブル突破回数9回:12回となっている。つまり、1つ1つのクオリティという点においてはマドリーが上回っていたということ。
この日、ビーゴに乗り込んだマドリーは、GKケイラー・ナバスを中心とした守備組織をしっかりと構築した上で、カウンターから質の高い攻撃を繰り出すことを目指していたといえる。実際に試合を見ていても、「守備が強い」とは感じるものの「極端に守備的」とは感じない。その結果が3-1というスコアとなった。
現代サッカーにおいては、“攻撃的”という言葉は“=ポゼッションサッカー”ともいえるものとなっている。これは主にはバルセロナによって高まった価値観であり、逆に“カウンターサッカー”は“守備的”とされることが少なくはない。
しかし、ポゼッションサッカーにも守備戦術は存在し、何より“カウンター”という言葉は本来攻撃用語であり、攻撃のバリエーションの1つ。ボクシングでも柔道でも剣道でも、最も技が決まるのは相手が攻撃を仕掛ける際に出来る隙。つまりカウンターだ。
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