実現しなかったトップ下の獲得。補強失敗が不調の要因に…
もっとも前線のつなぎやチャンスメイクの欠如という問題は、トップ下の選手をおけば解決しそうなことだ。現にユベントスはトップ下の補強を画策していたが、ご存知の通りユリアン・ドラクスラーの獲得に失敗。振り返ればユベントスの不振は、結局これが要因となっている印象がある。
現にアレグリ監督はここまで、布陣を固めきれていない。故障者の影響もあるが、4バックや3バックの選択といい2トップの組み合わせといい、ほぼ毎試合ごとに変更されている。
ドラクスラー獲得失敗の穴埋めとして引き入れたエルナネスも使いこなせていない。システムの使い分けや積極的なターンオーバーは昨シーズンも多用していたが、ショートパスを主体にした速攻の形は選手の顔ぶれやシステムにかかわらず一貫していた。
しかし今はそれが機能せず、結果的に組み立てはポール・ポグバに無理して頑張ってもらうか、そうでなければファン・クアドラードのドリブル突破一辺倒になっている。
「トップ下を取れ、というアレグリ監督からのリクエストはなかった。それに我々は選手の若返りを通してチームの刷新を図っている。単に今シーズンが特別だということだ」。23日、ジュセッペ・マロッタGMは地元メディアに対し弁明した。
しかし存在感の多大だった選手を置き換えるという作業は、やはり簡単なものではない。成績が出なければアレグリ監督の進退問題にも発展するだろう。若手の成長を見守るということも含め、ユベンティーノたちにとって我慢の時は続く。
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