アーセナルの完勝を導いたもの
ここから見えてくるのが、アーセナルの守備陣が決定的なピンチを防ぎバイエルンの攻撃陣に「打たせていた」ことだ。シュートのほとんどをDFがブロックした。そして、最後の砦となったのが今季アーセナルに加入したGKペトル・チェフ。バイエルンの枠内シュート8本を全てセーブし、改めて一流選手であることを証明した。
ヴェンゲル監督とグアルディオラ監督は、ともに美しいサッカーを志向する指揮官だ。しかしながら、第1節と第2節で敗北を喫しグループステージを突破するためには勝利が至上命題という状況がヴェンゲル監督を変えた。データだけを見れば、犬猿の仲であるジョゼ・モウリーニョ監督のように組織的な守備網を敷き、バイエルンから白星を奪ったことになる。
決勝トーナメント出場へわずかな望みを繋いだアーセナル。次節はバイエルンの本拠地アリアンツ・アレーナに乗り込んで、“リベンジ”に立ち向かうこととなる。再び“勝利に徹した”サッカーを展開するのか、それともヴェンゲル監督の信条である美しいサッカーが復活するのか。指揮官の采配に注目が集まりそうだ。
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