勝利に徹したアーセナルがみせた4つのデータ
勝利に徹したアーセナルは強かった。崖っぷちに立たされていたアーセン・ヴェンゲル監督は優勝候補バイエルン・ミュンヘンに対して、自らの信条に反する“効率的な”プレーを選択したのだ。
試合終了のホイッスルが鳴った時、スコアボードは2-0だった。つまり、アーセナルの完勝だ。しかしながら、試合データに目を向ければ圧倒的にバイエルンが試合を支配したことは明白だった。
一つ目の象徴的なデータはボールポゼッション率だ。バイエルンのポゼッション率は実に71%を記録。圧倒的に試合を支配していた。
二つ目のデータは総シュート数。アーセナルの13本に対して、バイエルンは22本。極めつけとなる三つ目のデータはパス成功数で、バイエルンは708本とアーセナルの204本の3倍以上のパスを繋いでみせたのだ。
それでも、アーセナルが全くチャンスを作らずに偶発的な2得点で勝利を拾ったのかと言われれば、そんなことはない。彼らは効率的に、そして強かに勝点3をもぎとった。
注目すべき四つ目のデータが枠内シュート数だ。あれだけ試合を支配されていたにも関わらず、アーセナルとバイエルンの枠内シュート数は8本と同数である。一方で、枠外シュートはアーセナルが3本、バイエルンが6本と2倍の差が存在する。
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