試合前から不穏な予感が漂った仙台戦
生命維持装置に繋がれたかのように1シーズン長く生き延びたが、清水エスパルスは先週末ついに苦しみから解き放たれることになった。ベガルタ仙台に0-1で敗れたチームは、もはや泣き言を言うこともなく降格を受け入れた。
Jリーグ創設メンバーの1つであるチームの崩壊は大きな注目を集めるニュースとなったが、実際のところクラブはしばらく前から不吉な下降線を辿り始めていた。
昨シーズンは辛うじて降格を免れ、2015年開幕戦では鹿島アントラーズに3-1で予想外の勝利を収めたとはいえ、その後のファーストステージを通してのパフォーマンスと結果に改善が見られることはなかった。
17試合で勝ち点わずか13の獲得にとどまりながらも、クラブはかつてのレジェンド選手であった大榎克己監督を信頼し続けることを決断。だが結局は後半戦の5試合を終えたところで、新たなアシスタントに任命されたばかりだった田坂和昭監督との交代が告げられることになった。
結局、大分トリニータ前監督のもとでも状況が改善されることはなく、就任から9試合を戦って1つの白星も挙げられていないままだ。仙台は清水がJ1でのホームゲームで一度も負けたことのない相手だったが、運命の一戦を前にしてすでに日本平には不穏な予感が漂っていた。
富士山も雲に隠れて姿を見せようとはせず。チームがスタジアム入場のために用いるオレンジ色の膨らまし式通路もしぼんでしまっており、到着した選手たちは更衣室入りに不格好な苦労を強いられた。まさに今シーズンの戦いぶりが象徴されたかのようだった。
ピッチ上でもやはり状況が好転することはなく、ホームチームはわずか4分でビハインドを背負ってしまう。カルフィン・ヨン・ア・ピンのマークを外したラモン・ロペスがCKに頭で合わせ、結局これがこの試合の唯一のゴールとなった。