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代表 9年前

ベトナム代表はなぜ“純血主義”を貫くのか? W杯予選の苦戦で高まる帰化選手への待望論と問題点

text by 宇佐美淳 photo by Getty Images

帰化選手の活躍で飛躍する東南アジアのライバル

 そして、帰化選手なしで臨んだ2008年の東南アジアサッカー選手権「AFFスズキカップ」でベトナムが優勝したこともあり、この頃から「帰化選手は不要」という論評が定着した。

 しかし、2008年のスズキカップ優勝以降、ベトナムは低迷。国内リーグの発展と共に着実に成長を遂げている東南アジアのライバルであるタイには現在、大きく水をあけられた状態だ。

 また、積極的に帰化選手やハーフの選手を補強しているインドネシアやフィリピン、シンガポール、東ティモールなども急速に力をつけており、ベトナムにとっては手強い相手となっている。

 こうした状況を受け、ベトナムでは帰化選手の代表招集を巡る議論が再燃。2013年にサムソンが帰化してからは、Vリーグ最高のストライカーである同選手を代表に1度も招集しないベトナムサッカー連盟(VFF)の方針を疑問視する声があがるようになった。同選手も代表入りを熱望しており、SNSなどを通じてVFFや三浦監督にアピールしているが、今のところ代表入りは果たせていない。

 一方で、VFFはハーフおよび海外育ちの選手(越僑選手)の代表招集は容認する構えを見せており、最近では、ベトナム生まれチェコ育ちのFWマック・ホン・クアン、チェコ系DFマイケル・グエン、スロバキア系DFダン・バン・ロバートなどが代表に選ばれている。

 彼らの場合、当然ベトナム語も堪能なため、コミュニケーションにも問題はなく、英語も話せるため、三浦監督と直接意思疎通を行う事も可能だ。

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