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途中交代続く岡崎、“修理屋”ラニエリ監督の犠牲に…吉田も感じたレスターの前後半の変化

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images

“修理屋”監督の犠牲となった岡崎

途中交代続く岡崎、“修理屋”ラニエリ監督の犠牲に…吉田も感じたレスターの前後半の変化
“不器用な修理屋”の異名を持つレスターのクラウディオ・ラニエリ監督【写真:Getty Images】

 同日夜のハイライト番組で、日韓W杯にも出場した元アイルランド代表で解説者のケビン・キルバーン氏が「なぜマレズを最初から起用しないのかわからない」と語っていた。確かにその通りだが、マレズが先発していても同様の結果を招いていた気がしてならない。

 思い出されるのは8月末のボーンマス戦だ。この試合のマレズは前半45分のみの出場となり、後半は岡崎が起用された。この際も、格下のボーンマス相手にまるでいいところがなかったレスターだったが、後半残り15分になると畳みかけるように敵ゴールに襲い掛かった。最終的には終了間際にPKを得て、引き分けに持ち込んでいる。

 それ以降も5節のアストンビラ戦では0-2から後半残り20分間で3点を奪い逆転勝ち、翌週のストーク戦でも同じく0-2の状況から後半に2ゴールを挙げて、勝ち点1をもぎ取っている。

 ラニエリ監督は常々「私はイタリア人だ。クリーンシートが欲しい」と口にしている。指揮官の理想は、ラインを全体的に低く設定しての堅守速攻だろう。しかしボランチのダニー・ドリンクウォーターの守備力は低く、さらにその後方のディフェンスラインとGKも脆弱。だからほぼ毎試合で先制点を許して試合を追う展開に陥り、早い段階で軌道修正を強いられる。

 そのたびに、「ティンカーマン(不器用な修理屋、の意)」の異名を持つラニエリ監督は、自身の目指すサッカーを諦めてチームの修繕に努める。ここまでのところは、そのイタリア人の采配は吉と出ており、勝ち点16を獲得。プレミアリーグの序盤戦で、最大のサプライズを提供している。だが試合中の“修繕”の犠牲となっているのは、間違いなく岡崎である。

 がむしゃらになったチームは、前出のサウサンプトン戦のように、ラインを押し上げて高い位置からプレスを仕掛ける。前がかり気味になって失点の危険性は伴うものも、ここまでのところは勢いで相手を押し切ることに成功している。一方で、9月以降は前半45分のみの出場がお決まりとなっている岡崎は、攻撃のレギュラー陣の中では一人蚊帳の外の印象だ。

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