養われつつある新たな感覚
そしてこれから、対戦した香川真司も予感した得点の量産体制に入るためには、自身の中にあるサッカーの感覚を組み立て直す必要があるかもしれない。
既に武藤はシャルケ、バイエルン、ドルトムントと現トップ3との対戦を経験した。ドルトムント戦の後では、相手の力が上であることを認めた上で「相手よりも多く走ることだったり、相手よりも球際で強くだったり、そういうことが必要になってくる」と話した。
少し飛躍するかもしれないが、つまり、武藤の中でブンデスリーガに対する基準が出来つつある。
これまでFC東京で、日本で培ってきたものを捨てる必要はない。しかし、それらも踏まえた上で、例えば欧州チャンピオンズリーグクラスのチームと対戦することで、武藤の中で新たな感覚が養われている最中とも言える。武藤は、まさに今ブンデスリーガを体感しているのだ。
改めて何度も自己構築の必要性に迫られながら、マインツで武藤は、ブンデスリーガを戦っている。
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