遅れたミハイロビッチ監督の交代
トリノ戦で後半11分からアップを命じられていた本田圭佑だったが、投入はほぼ終了間際だった。結局見せ場はほとんど作れずにタイプアップの笛を聞くが、ロスタイムを含めて6分で何かしろというのも酷ではあった。
解せなかったのは、本田どうこうというよりなぜ交代が鈍かったのかということだ。運動量の低下したユライ・クツカを下げ、アンドレア・ポーリを投入したのもほぼ本田と同じタイミングになっている。1点を先制したあとはトリノの勢いに押し切られ、ダニエレ・バセッリのゴールで追いつかれてからは完全に足も止まっていた。
もう少し積極的にベンチが動いてもいいと思われる状況だったが、シニシャ・ミハイロビッチ監督には交代策によって崩したくないものがあったようだ。4-3-3のシステムに修正した組織のバランスである。
「これを使えば絶対に勝てる、というシステムなどはない。ただ我々は4-3-3で、より全体をコンパクトに保って戦うことができていた。相手にもカウンターでチャンスを作らせなかったし、1点リードのまま試合をキープして勝てると思っていた」
つまり新システム導入で保てた守備におけるコンパクトネスを、選手交代などでいじりたくはなかったということである。
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