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驚きと募る不安…5-2快勝も支配率43.3%。バルサがラージョに敗れた“最大の長所”

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

エンジンとトップギアを失ったバルサ

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ネイマールは4得点1アシストの活躍【写真:Getty Images】

 そして迎えた今節では、ボールを持ってプレーした位置を示す「アクション・エリア」で敵陣37.16%という低い数字を記録。バルサの攻撃のキーマンとなるSBのダニエウ・アウベスは敵陣で40.32%、ジョルディ・アルバにいたっては20.83%にとどまった。

 今季のバルサは、前線からのプレスに耐えられず支配力を失い、支配力を失うが故に守備力を低下させるという悪循環に陥りやすい状態となっている。

 この要因にはアンドレス・イニエスタとリオネル・メッシの不在があるだろう。バルサにとってイニエスタはエンジンでメッシはトップギアのような存在だ。高性能のエンジンと7速目のギアを失えば、シューマッハの駆るフェラーリでさえもチェッカーフラッグを受けることはできない。

 イニエスタとメッシを失い、パス精度でも支配率でも劣りながらPK判定とネイマール&スアレスの活躍によって勝利を収めたバルセロナ。しかし、ここまでの戦いを見るとライバルたちは“対バルサ”の答えをすでに見出しているようにも感じられる。

 今回の5-2を手放して喜ぶか、危機感を持つかでシーズンの行方は変わるのかもしれない。

【了】

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