過密日程にもハードワークは厭わず
この日はマインツが後ろに人数をかけてボールをつないだこともあり、ドルトムントが得意とする“ゲーゲンプレス”は多くの時間帯で機能しなかった。そうした状況にあってトップ下の香川は主に相手のキャプテンでもあるボランチのバウムガルトリンガーをチェックし、中盤からの効果的な縦パスを出させない役割を担った。
しかし、4バックと2人のボランチがボールをつなぐマインツに対し、オバメヤン、ロイス、ムヒタリャン、香川の4人ではめるには数的不利の状況だ。しかも、高い位置で武藤嘉紀を含む4人のアタッカーが危険な動きを繰り返すため、ギュンドアンもほぼ固定的に中盤の底でバランスを取らざるをえなかった。
そこで奮闘したのが香川で、バウムガルトリンガーのチェックからもう1人のボランチであるラッツァ、CB、時にはワイドの位置まで連続的にプレスをかけていた。
「(日本代表のイラン戦から)中3日で移動もありましたし、すごく日程はハードでしたけど、この試合は大事だととらえ、監督も改めて、練習の時にみんなが集まってミーティングして、もう1回1つになってやっていこうと言っていましたし、いい練習もできていた。みんながこの試合で勝つってことをピッチで示せた」
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