代表ではゴール量産も…
ベンチスタートが濃厚となるであろう本田は、果たしてその中でどういうふうにして食い込んでいくべきなのか。昨季は4-3-3の右ウイングとして、ゴールを狙う一方バランサーとしても機能するように努めていたが、報道の通りならウイングの一角の守備の負担は軽減させるようである。そうなればやはり、ゴールまで得点に直結するような仕事ができるかどうかが再アピールの条件となりそうだ。
ミハイロビッチ監督は興味深いことを語っていた。「代表では2015年の11試合で8ゴールを決めているようですが」と地元記者の間から質問が飛んだが(断っておくが、日本報道陣ではない)「昨季の開幕7試合で6ゴールを決めたことも自分は知っている」と返したのだ。地元メディアやファンも一切忘れているところだが、監督はやはり得点に関するところでのインパクトを求めている。
自らが好む距離感でパスを交換できず、一方でファンやメディアから苛烈な批判を受けたことが本田のフラストレーションの源となっていた。その状況でなおトップ下から別のポジションに押し込まれ、ゴールという結果を要求される立場に戻るのは腑に落ちないものがあるのかもしれない。しかし選手として所属する以上、クラブが直面する現実に応えるよう努めるのも義務なはずだ。
周囲に強い言葉でハッパをかけた彼だが、今度はパフォーマンスを通し自らの言い分に説得力を持たせる番だ。そのチャンスがトリノ戦で訪れれば良いのだが。
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