勝負を決めたプレスの精度
しかし17分のことだった。ロイスが、ちょっとした停滞を吹き飛ばす。CBブンガートのパスをムヒタリヤンがかっさらい、オーバメヤン、ロイスと繋ぐ。ロイスは左足できっちり決めきった。1-0。トゥヘルは「今夜はマルコ(・ロイス)が我々を勝利への道に乗せた」と振り返っている。
互いが互いにハイプレスを潜ろうとする流れは、ゲームのテンポを高くした。58分、マリのラストパスから、武藤がGKビュルキと1対1を迎える。フンメルスの粘りもあって、ここも武藤は決め切れず。
香川は「最後2センターがしっかりと止めてくれたのが凄く助かりました」と、フンメルスとソクラティスの2CBに感謝している。香川も62分にチャンスを迎えた。ギンターのパスをペナルティエリアの中で受けるが、シュートは枠の左に外れる。
76分、カウンターからムヒタリヤンが右サイドを抜け出す。折り返しをオーバメヤンが決めようとする。戻ったブンガートに辛うじて対応される。ドルトムントはなかなか2点目を奪えなかった。
香川は「2点目が取れなかったのはすごく怖かった」と口にした。ドルトムントのハードワークに、マインツもハードワークで応え、ワントップの武藤を中心に、常にBVBの喉元に刃を立ててきた。
それでも81分、最後にドルトムントがマインツを振り切った。前線で香川を中心に連動したプレスからオーバメヤンボールを奪って、最後はムヒタリヤンが決めきった。2-0。
香川は「プレスを掛けてしっかり取り切れたんで、あれで勝負は決まったのかなと思います」と手応えを感じた。
ドルトムントは、マインツ相手に5試合ぶりに勝利をもぎ取った。BVBが“らしさ”を取り戻した、マインツの夜だった。
【了】