「海外の成長度を代表で試してみたい」
イラン戦の後、本田が「イランみたいなフィジカルコンタクトに慣れるために一番いいのは、こういう環境に自分自身で身を置くこと。そうすることで、選手それぞれにとってこの感覚が本当のスタンダードになっていく」と強調した通り、球際の激しさや1対1の強さの部分は、タフな環境で日々プレーし続けることでしか向上しない。
大柄な選手がズラリと揃うオーストリアにいる南野には、本田が言わんとするところがよく理解できるという。
「海外組の人たちが日本に戻ってくるたびに『1対1の激しさとスピード感が違う』と言っていたんで、最初から違いはあるやろなと思っていた。だから僕はそこまで戸惑いはなかったですね。だけど、Jリーグでやっていた時に比べてシュートの意識、シュートの精度、スピード感、奪った瞬間にタテに入るパスの質といった部分は明らかい違います。
海外でそういう経験をして、実際に慣れて、結果を出せるようになったんで、その成長度を代表で試してみたい思いはメチャ大きかった。今回は残念でしたけど、またチームで結果を出して、次もA代表に呼ばれるようにしたい。ザルツブルクで絶対的中心になって初めて代表でレギュラーを獲る道が開けてくる。それは間違いないと思います」
わずか5分間の代表デビューだったが、彼にとっては大きな一歩。本田も香川もそういう時期を経て、現在の位置をつかんでいる。南野がそうなるためには、本人も言う通り、ザルツブルクでコンスタントに結果を残すこと。目下6点というリーグ戦のゴール数を着実に伸ばすことが先決だ。
期待の若きスター候補がどのような成長を遂げるのか、日本代表の未来はオーストリアでの成長に懸かっている。
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