合言葉は『原点回帰』。システム変更も有効か?
原点回帰という意味では、前回モウリーニョ監督時代の基本システムだった4-3-3 の採用も悪くはない。今季はボール奪取後に無理をして再びボールを失う姿が目立つネマニャ・マティッチは、「2+1」となる中盤の底に座れば、奪ったボールをシンプルに手前2名のどちらかに預けやすいと思われる。
その1人であるセスク・ファブレガスは、攻撃面での決定的な仕事が減る一方で、守備面の仕事を疎かにする頻度が昨季後半から増している。元来は意識も体も前線に向くタイプだけに、攻守の役割分担が明確な3センターの方が本来の姿を取り戻し易いのではないか? 横並びの相棒は、守備重視であれば運度量の豊富なラミレス、攻守両用であればパスもタックルも巧いオスカルという選択肢がある。
3トップでは、左にエデン・アザール、右はペドロかウィリアンのチャンスメイカーがコスタと近い位置で絡み易いとも考えられる。堅守色を強めれば好機を逃さない主砲の決定力がことさら重要だが、スペイン代表から漏れた今月の代表ウィークをチェルシーの練習場で過ごしたコスタ自身は、曰く「納得のいく調整」を進めて国内での出場停止処分も解けるリーグ再開に臨む。
10月17日の9節でホームに迎える相手は、8戦6敗のアストンビラ。敵地に乗り込む10節は、アウェイでこそアーセナル、リバプール、マンチェスター・シティから白星を奪っていても、ホームでは1勝しかできていないウェストハムとの対戦。
恵まれたカードでモウリーニョのチェルシーらしく確実に結果を出せれば、計6ポイントと共に復調のきっかけを得て、トップ4への道標も行く手に見えてくる。
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