本田の意に反して“変革”を進めようとするミラン首脳陣
もっともその彼らも「本田を中心に立て直せ」という議論に行き着くはずはなく、「これで彼は戦力外扱いとなり、胸を張ってこんなクソクラブを出て行くだろう」「我々の罪のために十字架の上で死せり。本田よさらば」などと、彼がクラブに処分を受けた末に放出されるという将来を思い描いていた。
そして肝心のクラブのトップだが、ここまでは本田が望むような構造改革に臨む姿勢を見せてはいない。むしろ逆だ。シルビオ・ベルルスコーニ名誉会長は「フォーメーションも変えてもらう。変革は次の試合から、直ちにご覧いただけることだろう」と政治遊説先で発言をした。本田の発言を引用し反論していたわけではないものの、構造改革的な見直しなど全く考えていないことは明白である。
結局のところ本田発言は、残念ながら本人の立場をただ悪くしたようにしか感じられない。それどころか、チームは次のトリノ戦からトップ下そのものを放棄するという報道も出ている。全方位に批判をぶっ放した後で、果たしてどう挽回していくのか。外からは見えないロッカールームの中で、本田がどう立ち回るかが今後の運命を決める。
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