本田の真意は伝わっているのか?
ロシアW杯アジア2次予選シリア戦と親善試合イラン戦を終えた本田圭佑は14日、ミラネッロに戻って練習に合流した。クラブの発表によれば、全てのメニューをこなしはしなかったものの、戦術練習には参加させられていたという。
気になるのは、4日のナポリ戦後の処遇だ。「ミランが処分を検討している」という報道が各地元メディアから出されており、シニシャ・ミハイロビッチ監督も「戻ってきたら本人から事情を聞く」と語っていた。14日夜(日本時間15日早朝)の時点でクラブは公式に発表をしていないものの、罰金かそれ以上かの処分がなされるかはいずれ明らかになるだろう。
いち選手がメディアを煽って所属クラブを批判することは、イタリア並びに欧州のクラブではどんなに筋が通っていてもマナーに反する行為だとされている。ただ「逆算している」とオマーンで言ったようだからそこは覚悟の上だろう。元日本代表監督のザッケローニ氏は「本田のしたことには賛同できない。新聞を使って他者を批判してはいけない」と語っていたが「彼を知るものとして建設的に(批判発言を)したことは分かっている」と理解を示してはいた。
ただ問題は、その真意がちゃんと伝わっているかどうかだ。現地で反応を見る限りにおいては、一石を投じられたクラブやメディア、そしてファンが本田の期待通りに批判を受け止めている印象はない。
まずは、本田の発言を伝えたイタリアの国内メディア。「トップ下として結果を出していないのにチームを批判するのか」というバッシングがあるのではないかと思っていたが、発言が報じた6日は意外にも同調。むしろ本田の発言を囲み記事で紹介しつつ、「ミランよ、8600万ユーロ(の価値)はどこにあるのか」(ガゼッタ・デッロ・スポルト)と補強戦略や監督の采配を含めた批判を展開。本田が批判発言をしたことを1面の見出しにしていた新聞もあった。