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日本代表 9年前

【英国人の視点】ハリルJ、最大の不安要素は長谷部&山口。攻撃か守備か。曖昧な役割に潜む危険性

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

苛立ちを募らせていたハリルホジッチ監督

【英国人の視点】ハリルJ、最大の不安要素は長谷部&山口。攻撃か守備か。曖昧な役割に潜む危険性
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の初戦、3月の対チュニジア戦の後で長谷部は、「監督は2人のMFに対する具体的な役割分担を重要視していなかった」と述べた。

「(ハビエル)アギーレ監督の元では、自分はアンカーとしてプレーしてきた。それは、(自分にとって)これまでとは全く別のポジションだった。(アルベルト)ザッケローニ監督の時には、ホールディング・プレーヤーで、自分があまり前に出ることは求められなかった」と31歳の長谷部は語り、こう続けた。

「しかし、今はホールディングMFが前に出ることは、あまり問題にはされない。そして、そのポジションの選手がこれまで以上により前へ前へと進んでいく事例になるかもしれない」

 前もって決定された方向性よりも、ゲームの状況を見てプレーをする自由を持つことは悪いことではない。しかし、国際レベルではそれを実践するのはより難しくなる。というのも、選手にとって自らのクラブで一緒にプレーしている時のように、お互いの癖に対する理解度を同じレベルで高めていくことがより難しくなるからである。

 ハリルホジッチ監督が、シリア戦前半で長谷部、山口に対して苛立ちを見せていたことが見て取れた。このボスニア人指揮官は、水分補給タイムに2人と身振り手振りで議論を交わした。しかし、そのやり取りが役に立ったようには見えなかった。前半30分に10メートル先に長谷部がいて、相手陣地内で山口がボールを奪われ、右サイドからシリアが反撃に出た。

 同様の事態が41分と42分に起こった。セントラルMFの2人はどちらを担当するべきか確信が持てなかったようで、簡単にシリアに中央突破を許してしまった。

 日本にとって幸運だったのは、対戦相手がそれらの絶好の機会をものにするだけの資質を欠いていたことだ。しかし、より強い相手ではそう簡単に難を逃れることはできないだろう。

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