理想はキーン&スコールズ、戸田&稲本
グループ首位だったシリアに対しオマーンで3対0で勝利したことは、日本にとって申し分のない結果だった。サムライブルーにとって、前半の内容は忘れられがちだが、後半45分は安定し、本田圭佑、岡崎慎司そして宇佐美貴史がゴールを決め、チームで最も重要なフォワードプレーヤーの3人は波に乗っていた。
守備も同様で、3試合連続して無失点という状況に勢いをつけ、日本サイドはかなり安定しているようだった。とは言っても、シリアも先のカンボジア、アフガニスタンと同様に、日本の守備を脅かす場面はほとんど無かった。
しかし、日本には未だに多少まとまりの無さが感じられる。それは、ミッドフィールドの中心での団結力の明らかな欠如に起因するものかもしれない。長い間キャプテンを務める長谷部誠とコンビを組む山口蛍が個人的に悪いプレーをしているわけではない。しかし、2人はピッチの中央での役割分担に少し戸惑っているように見えた。
そのエリアにおける最善のコンビは、守備と攻撃の間に明確な区別をもって行動する傾向がある。つまり、1人が主に守備に集中し、もう1人が攻撃を担当するというものだ。
マンチェスター・ユナイテッドが1999年にトレブル(3冠)を達成した時のロイ・キーンとポール・スコールズを考えてみるといい。または、2002年ワールドカップの戸田和幸と稲本潤一でもいいだろう。
キーンと戸田はディフェンダーの前で守備にあたり、相手からボールを奪い返すことに責任を持つ。一方で、スコールズと稲本は前へ進み、チームのために決定的なゴールを決めるという自由がより多く与えられていた。
その一方で、長谷部と山口はどちらが、どのパートを担当するのか少し確信が持てないでいるようだ。それどころか、彼らは、2人とも両方を担おうとし、その過程で1つのタスクもクリアできていない。