ナイキと契約で優勝したシーズンの再現なるか…【写真:Getty Images】
世界的自動車メーカー「フォルクスワーゲン」の完全出資子会社として活動するヴォルフスブルクだが、親会社の一大スキャンダルの影響を受けてしまうようだ。
独紙『ビルト』によれば、ヴォルフスブルクは4000万ユーロ(約55億円)規模の新たな育成組織整備のプランを凍結したという。また、今夏売却したイバン・ペリシッチとケビン・デ・ブライネの移籍金をフォルクスワーゲンに返却しなければならなくなったとも伝えている。
これまでフォルクスワーゲンからの無尽蔵の資金投入によってチーム力を底上げしてきたが、同社の排ガス規制回避のための不正ソフトウェア使用問題がサッカー部門に大きく暗い影を落としている。
全世界に衝撃が走った巨大企業の不正発覚直後に就任したマティアス・ミューラーCEOは「必要のないものは削減するか変えなければならない」と発言しており、会社を立て直すためにサッカーへの投資を削っていく可能性もある。
一方、いい知らせもある。独紙『キッカー』はヴォルフスブルクが来季からナイキと大型サプライヤー契約を結ぶと報じた。10年総額8000万ユーロ(約109億円)にものぼり、1年あたり800万ユーロ(約10億8000万円)を受け取る。カッパとの関係は今季限りのようだ。
同じテーマを報じた『ビルト』紙によれば、プーマから年間1500万ユーロ(約20億円)を受け取っているドルトムントや、アディダスと2030年まで総額9億ユーロ(約1220億円)、年間6000万ユーロ(約81億円)の契約を結んでいるバイエルン・ミュンヘンには及ばないが、ヴォルフスブルクにとって大きな収入には違いない。
フォルクスワーゲンと運命をともにして転落していってしまうのか。スポンサー収入が増えるとはいえ、選手の売却益を親会社に吸い取られてしまえばクラブの成長は望めない。昨季まで順調そのものだったヴォルフスブルクが一転して窮地に立たされている。
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