敗戦の過去の払拭へ。新たなページを刻めるか
もちろん、アフガニスタン戦のように簡単にはいかないことは、誰もが分かっている。シリア戦でも、前半はコンパクトにできずに相当な苦戦を強いられたほどだ。
イラン相手となれば、意図した距離感を保てなかったり、相手に主導権を握られる時間帯も十分ありえる。そこで何とか耐えしのび、逆に勝ち切るしたたかさを香川ら百戦錬磨の攻撃陣は見せつける必要がある。
「前半と後半では(相手の疲労もあって)プレスが変わってくるので、距離感をしっかり縮められたとしても、ボールが回せない時も想定しなきゃいけない。今回のイランは特に前半から飛ばしてくるだろうし、フィジカル的なサッカーになっちゃうと思うんで、そこでしっかりとブレずに、お互いの連係や動き出しを意識しながら、前線はやっていけたらいいのかなと思います」と彼は言う。
10年前の2006年ドイツW杯アジア最終予選でイランに1-2で苦杯を喫した因縁のゲームを記憶していないという香川。
彼ら若い世代が日本代表の敗戦の過去を払拭し、未来への希望を感じさせる新たな歴史の1ページを刻んでくれば最高だ。エースナンバー10にはそのけん引役として、ゴールに直結する仕事が求められる。
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