8万人収容のスタジアムが満員に。奮い立つ香川
そういう考え方は、日頃からクラブでも強く意識している部分なのだろう。今季ドルトムントの基本的な前線4枚を見ると、オーバメヤンは185㎝と長身ではあるが、ムヒタリヤンが178㎝、ロイスが180㎝とドイツの中ではそこまで高さがある方ではない。実際、サイドからの単純なクロスでゴールが入る場面はほとんどないのが実情だ。
それでも彼らがリーグ2位の得点数を記録できているのは、動き出しの鋭さや攻守の切り替えの速さ、連動した動きを突き詰めることで「違い」を生み出しているから。
欧州屈指の強豪クラブで躍動している香川は、日本代表でも同じような感覚でプレーできるはず。「ドルトムントスタイル」を思い描きつつ、大柄な最終ラインをかく乱することからゴールへの突破口を切り開いていくことが重要だ。
ドルトムントでのいい感覚に加え、今回の香川にとっての追い風と言えるのは、同じアザディスタジアムで行われた9月のアフガニスタン戦で2ゴールを挙げていること。
1か月前のゲームでは、開始早々の10分に豪快なミドル弾で先制点を奪い、後半4分にも原口元気(ヘルタ)とのワンツーから左足で自身2点目を叩き出している。
「(アザディは)すごい大きなスタジアムですし、この前よりさらに人が入るので、楽しみです。8万人の中でこういう国際試合ができるのはなかなかなこと。イランとはいつもタフになるみたいなんで、しっかり勝ち切っていきたいです」と本人もゲンのいいスタジアムでのゴール連発を目論んでいる。
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