レアル・マドリーのFWクリスティアーノ・ロナウド【写真:Getty Images】
クリスティアーノ・ロナウドがレアル・マドリーに移籍して早6年、今季は自身にとって“ワースト”なシーズンとなってしまった。
これまで驚異的なペースで得点を量産してきたC・ロナウドだが、大手データサイト『opta』によれば、マドリー移籍後4試合無得点というのは最長のようだ。過去には3試合以内に必ず1得点を決めており、4試合に渡って無得点が続いたのは初のことである。
さらに、今季のC・ロナウドには固め打ちによる『効率性の悪さ』が目立つ。リーガエスパニョーラ、チャンピオンズリーグ(CL)含めてC・ロナウドはここまで9試合に出場して10得点。
これだけ見れば高い得点“率”になるが、ゴールを決めたのは第3節エスパニョール戦(5得点)、CLシャフタール戦(3得点)、CLマルメ戦(2得点)の3試合のみ。うち6試合は無得点となっており、得点を決めた試合は9分の3という割合になっている。
このデータはマドリーの順位表にも表れている。マドリーは第7節時点で最多タイの15得点、最少の2失点と、20クラブの中で最も良い成績を残している。しかし、現在マドリーは無敗にも関わらず2位に位置しており、首位に立つのはマドリーよりも得点、失点ともに劣るビジャレアルである(12得点5失点)。
マドリーは第2節ベティス戦で5-0、第3節エスパニョール戦で6-0(うち5得点はC・ロナウド)とド派手なゴールショーを演出しているが、これ以外の試合ではスコアレスドローが2試合、1得点が2試合、2得点が1試合となっており、計5試合で4得点、1試合平均0.8得点と平凡以下の数字となっている。
1-0でも6-0でも、同じ勝ち点3であることに変わりはない――。この可視化されていないマドリーの“得点力不足”が、首位に上がりきれていない要因でもある。
また、C・ロナウドの“効率性の悪さ”はポルトガル代表でも表れている。直近6試合のポルトガル代表の試合で3得点を決めているが、これも格下であるアルメニア戦でのハットトリックであり、残り5試合は無得点。EURO予選突破を決めたデンマーク戦でもゴールはなかった。
最近ではイングランドとドイツで1試合5得点を決めたストライカーも現れたが、本来であれば90分間でここまでのゴールを決めるストライカーはそう多くはない。C・ロナウドが実績のある素晴らしいストライカーであることに間違いはないが、コンスタントにゴールを重ねていくこともまた、良いストライカーの条件なのかもしれない。
【了】