ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】
【日本 3-0 シリア 2018年ロシアW杯アジア2次予選】
日本代表は8日、オマーンでロシアW杯2次予選のシリア戦に臨み3-0で勝利した。
前半、やや低調な内容でピンチも招いたが、後半は修正。45分で違う顔を見せた日本代表は3点を奪った。その要因はハリルホジッチ監督の的確な分析と采配によるところが大きい。
修正したのは距離感だ。前半、ボールロストが多くミスが続いた山口蛍に指揮官は何度も大声で指示を出し、怒りを露わにしていた。交代も考えられたが、「山口、長谷部と真司。さらに本田と原口。彼らが広がった状態になって、足元でもらう動きが多かった」と分析。フル出場した山口は後半、見違えるようにプレー精度が高くなった。
選手たちの証言からも分かる。長友佑都は間延びしてしまった原因を「サイドの前の選手が開きっぱなしだった」と分析。「監督はそこを修正した。(本田)圭佑や(原口)元気に中に入って受けなさいと指示し、いい距離感でパス回しできた」と語る。
また、このような試合展開を予期していたようなことも明らかになった。長友が「(シリアの体力は)後半絶対落ちる。そこからカウンターでいける」とハリルホジッチ監督が言っていたことを明かせば、キャプテンの長谷部誠も「自分たちが疲れていたら、相手は2倍疲れている、と試合前に監督は言っていた。相手が疲れるのは想定内だった」と。
スタジアムのピッチの芝はかなり長く、パス回しがしにくいだけでなく疲れもたまりやすい。前日練習でピッチ状態を確認した指揮官は、シリアの激しいプレースタイルと合わせて、後半に攻撃比重を高める作戦を決めたのだ。
グループ首位をかけた難敵シリア。苦しんだ時間帯もあったが、終わってみれば3点差勝利。ハリルホジッチ監督の想定内の試合展開だったと言えるだろう。
【了】