戦術の重要な役割を担う香川
このパスレシーブ回数とボールタッチ数を90分に換算すると、パスレシーブ25.5回、ボールタッチ30.6本。今季はここまで平均でパスレシーブ50回以上、ボールタッチも60回以上を記録しているため、今回は半減しているということになる。
もちろん、この試合では今季初めて支配率で50%を割っており、他の選手もパス本数、ボールタッチともに減少している。それでも、地元メディアから試合後の採点で最低評価を下されたのは、このポジション変更の影響も小さくないだろう。
これまで、インサイドハーフとしてドルトムント攻撃の中心として機能していた香川だが、この試合ではトゥヘル監督の“戦術的変更”の犠牲になったといえる。
とはいえ、チームのパフォーマンスと香川のパフォーマンスがリンクしているというのは、今季のドルトムントの戦術において重要な役割を担っていることの証とも言えるだろう。
気鋭の戦術家と言われるトゥヘル監督だが、この試合に関してはペップ・グアルディオラ監督に差を見せられた格好となった。
ただ、何もせず無策のまま敗れ去ったわけではない。アウェイという不利な状況から勝利の確率を少しでも上げるために最善と信じた戦術を実践したということ。
それだけにトゥヘル監督の悔しさは尋常ではないはず。それは、この大敗を次へつなげるための重要な要素であり、来年3月4日にジグナル・イドゥナ・パルクで予定されている第2戦でトゥヘルはどのような策を練るのか、そしてその中で香川真司はどのような役割を託されるのか。
新たな“ドイツ・クラシコ”の幕は上がったばかりだ。
データ提供:Wyscout
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