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本田圭佑 9年前

本田、過激発言の真意とは? 矛先はクラブや監督、ファンにまで…10番が募らせた“危機感”

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

本田の批判はファンにも…完敗したナポリはミランの手本に?

本田、過激発言の真意とは? 矛先はクラブや監督、ファンにまで…10番が募らせた“危機感”
本田の批判の矛先はシニシャ・ミハイロビッチ監督にまで…【写真:Getty Images】

 1年前のエンポリ戦後のことだが、彼はこういうことを言っていた。

「変にブーイングが鳴り始めると、後ろから繋いで前に行けるという雰囲気が出てこない。(ブーイングで)選手が上向きになるんであればどんどんやればいいけど、それでじゃあ自信なくしてつなげるところをロングキックに頼ってしまい、相手にまた簡単に拾われてしまう」

 攻撃的にボールをつなぐサッカーができないのは、批評的になりがちなイタリア(少なくともミラノ)の空気がそうさせていると分析し、これまでも少なからず批判的な発言をしてきた。これはずっと一貫している。

 興味深かったのは、本田が再建のヒントとして「シンプルに言えば今日のナポリにある」と言ったことだ。確かに彼らは全員がボールのないところで良く動き、自信を持ってパスを回していた。長い下積みを得て昨シーズンはエンポリで旋風を巻き起こし、ナポリの指揮官に抜擢されたマウリツィオ・サッリ監督は「選手が楽しんでプレーできているのが好調の秘訣だ」と試合後に語っていた。

 ただその背後には、確固としたバックアップがある。今のナポリは若手を主体とするという強化方針のもと地道に経営規模を拡大したクラブで、サッリも育成手腕と戦術的コンセプトの合致を理由に招聘された。

 ファンも熱狂的で、負ければブーイングもするが応援は熱い。もちろん批判されることもあり、現に開幕からしばらくは結果を出せなかったサッリ監督はその対象になった。しかしクラブは方針を曲げずに現場を支持。その結果、ラツィオやユーベをも簡単にひねる非常に攻撃的なチームが出来上がっている。

 本田がどこまでナポリの事情を把握しているかは不明だが、確かに今のミランには欠けるところである。再建のための構造的なバックボーンが欠落し、自らなんとかしようにも連係そのものが十分でない。

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