もはや国内には敵なしの圧倒的完成度
バイエルンの12/13シーズン。“準3冠”に終わった11/12シーズンの屈辱を振り払おうとするかのように、リベリーだろうがロッベンだろうが献身的に守備をさせた。
鬼と化したハインケスが率いたバイエルンは、2季連続でブンデスリーガ、ドイツカップ、CLの決勝に進む。CLの準決勝ではFCバルセロナを2戦合計7-0で破り、遂に3冠を達成した。
そしてペップ・バイエルンの15/16シーズン。ペップ・グアルディオラが就任して3年目を迎えた。持ち込まれたペップの理論によって、バイエルンはオリジナルの強さを手にしつつある。それはもはやペップのバルセロナとも違うものだ。
4日にドルトムントを粉砕したときのように、ロングボールやカウンターも効果的に取り入れている。CFには偽9番ではないレヴァンドフスキが据わる。“ロベリー”が不在でも、ドグラス・コスタとキングスリー・コマンが代役を果たす。
完成度と機能美において、他に類を見ない存在になりつつある。加えて12/13シーズンのような好スタートを切った。『キッカー』誌の記すように、もはや国内に敵は無しと言っても過言ではない。そのスケールの大きさは、少なくとも欧州の頂点を目指すに相応しいものだ。
「バイエルン・ハンター」とも囃されたドルトムントを一蹴したことで、ブンデスリーガ史上初の4連覇+3冠という可能性に向かって、ペップ・バイエルンは動き始めた。もちろんそれが圧倒的な難事であることは間違いない。
しかし「史上初の4連覇+3冠」こそが、ハインケスの12/13シーズンを超える唯一の方法なのである。
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