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日本代表 9年前

【現場記者の目】「代表では不安定」のレッテルを剥がすために。香川に求められる“絶対的な違い”

text by 元川悦子 photo by Getty Images

好不調の波が激しい代表でのパフォーマンス

「ここで1回、代表が挟まるので、チームとともにしっかりと勝利を勝ち取って、また自信をつけてドイツに帰りたい。まずはシリア戦に向けて勝つことに集中して結果を出せば、(クラブでも)必ずまたいい流れが出てくると思う。

 監督も練習前のミーティングで『今年一番の試合だ』と言ってましたけど、シリアはホントに簡単な相手じゃないし、簡単に勝った試合は過去にもない。だけど僕自身は今回、勝つことしか考えてないし、絶対勝たなきゃいけない中で勝ち切れるかって意味でも自分自身、試されていると思う」

 こう話す通り、エースナンバー10をつける男はこの大一番で日本をE組1位へ導くとともに、ドルトムントでの再浮上のきっかけをつかもうと今、躍起になっている。その責務を何としても果たさなければならない。

 とはいえ、香川真司という選手は日本代表では好不調の波が大きく、毎回目覚ましい活躍をしているわけではない。

 2008年5月のコートジボワール戦(豊田)で初キャップを飾ってから足掛け8年。国際Aマッチ73試合に出場し、23ゴールを挙げているが、本当に香川の全ての力を出し切れたのは、2011年アジアカップのカタール戦、2013年コンフェデレーションズカップのイタリア戦(レシフェ)など数試合しかないのだ。

 ただ、今季はドルトムントで最高のシーズンスタートを切り、その勢いを9月のアフガニスタン戦(テヘラン)にも持ち込んで先制弾を含む2得点を叩き出した。

 それをシリア戦でも再現し、相手を粉砕するほどの攻撃センスと決定力を遺憾なく発揮してこそ、「代表ではコンスタントに結果を出せない選手」というレッテルをはがすことができる。

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