敗因は、“成熟度の差”
36分にオーバメヤンが1点を返して、ドルトムントは2-1で前半を折り返したが、後半開始早々だった。またも「ボアテング」と「ロングボール」である。レヴァンドフスキがフンメルスたちDFラインの裏に抜け出して、ゴールを奪う。1-3。フンメルスは「バイエルンの3点目が試合の結果を決定した」と考える。ここでバイエルンの勝利は決まった。
その後も58分にレヴァンドフスキ、66分にゲッツェと、バイエルンはほぼ10分毎に点を重ねていく。ドルトムントは53分に香川とカストロに代えて、ロイスとヤヌザイを同時投入するが、結局のところ「アタッキングサードでは結果に結び付かなかった」。BVBは終始圧倒されて、1-5でバイエルンに敗れた。
それにしても、なぜこれほどまでの大差が付いたのだろうか。
トゥヘル・ドルトムントはまだ産声を上げたばかりだが、ペップ・バイエルンは老成しつつある。トゥヘルは監督就任1年目で、チャンピオンズリーグの出場を目指している途中だが、ペップ・グアルディオラはバイエルンを率いて3季目に突入し、CLの準決勝に2度進出している。そして、今回のドルトムントに対する完勝で、欧州の頂点をも視界に捉えた。どうしてもまず成熟の度合いが違う。
その差を考えれば、このバイエルンに対する完敗を悲観的に捉える必要はない、とも言える。長いリーグ戦の中では、どんなチームでも敗れるときがある。BVBにとっては、それが今回のバイエルン戦だった。ただそれだけだ。確かに今季初の黒星は付いたが、それだけで今シーズン終了時の目標であるCLの出場権確保が危うくなるわけではない。
トゥヘルは言う。
「我々は自分たちを取り戻して立ち直らなくてはならない。それがすぐに必要なことだ」
ボルシア・ドルトムントであれば、すぐに立ち直って、自分たちを取り戻すことができるはずだ。
【了】