勝利を信じる清水サポーター【写真:Getty Images】
Jリーグの名門・清水エスパルスがクラブ創設以来最大の危機に陥っている。
現在、2ndステージ第12節終了時点で年間総合最下位。1stステージを3勝4分10敗の最下位で終え、2ndステージはここまでわずか1勝しか挙げることができていない。
ここ7試合勝利がなく、浦和レッズ戦は1-4、サンフレッチェ広島戦は1-5と2試合で9失点を許しており、守備が崩壊の一途を辿っている。
今節はアウェイで同じく残留を争う16位の松本山雅と対戦する。もし仮にこの試合に敗れ、残留圏内の15位アルビレックス新潟がアウェイでヴァンフォーレ甲府に勝利すると、第14節のベガルタ仙台戦の結果次第では降格にリーチがかかり、最短で第15節にも降格が決定となる。
広島戦後、田坂和昭監督は「選手に今、唯一の救いはサポーターが最後まで応援してくれていることだという話しをした。サポーターと一緒に戦うということは皆と約束しているので、次は(松本との)直接対決だが何としてでも勝たなければいけない」と、ここまで応援を続けてくれたサポーターのために勝利を捧げることを改めて強調した。
また、松本戦勝利の鍵は守備にあると田坂監督は分析する。「高い位置からプレッシャーに行くと、どうしても背後を取られてしまうという現状がある」とチームの傾向を振り返り、次のように改善点を挙げた。
「チームプランとしては(DFラインを)少し下げてブロックを作るほうが安定した戦い方が出来るが、今日(広島戦)みたいに点を取られてしまうと、ブロックを高い位置に持っていかなければいけないので、あのように背後を突かれてやられてしまう。直さなければいけない細かいところはもちろんあるが、全体的にはもう一回守備ブロックの形成や修正をしなければいけない」
松本には1stステージのホームでの対戦は0-1で敗れているだけに、同じ相手からの連敗は避けたいと考えているはずだ。まずは田坂監督の分析通り、リーグワーストの57失点の守備の立て直しが急務となる。
Jリーグ発足時からのメンバーである“オリジナル10”の一員でもある清水は、一貫してJ1で戦ってきた。
クラブ史上初の降格阻止へ――。残された試合数は5つだ。
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