ポスタコグルー現監督の悩み事
4年前から代表メンバーの“生存率”を弾きだすと23分の7、率にして0.304。この数字は、4年で大幅に顔ぶれが入れ替わっていることを表すには充分であろう。あらためて、就任から2年が過ぎた今、アンジ・ポスタコグルー監督が世代交代の大ナタを振るってきたことが分かる。
そのポスタコグルー監督の下で、サッカルーズが確実な進化を遂げていることには疑問の余地は無い。しかし、かと言って不安材料が無いわけではない。
攻撃陣では、もうすぐ36歳になるケーヒルを脅かす存在が出てこない。ケーヒルは、W杯2次予選でも3試合全てに出場するなど、相変わらずのフル稼働。9月8日のアウェイでのタジキスタン戦では、後半残り20分を切っての2連発で試合を決め、相変わらずの存在感を発揮した。
本来であれば、攻撃陣を引っ張っていく立場のクルーズは、ケガに次ぐケガでアジアカップ以降、まともにプレーができていない。典型的な“9番”タイプのFWとして、ここ数年、期待を集めるも不完全燃焼が続いたトミ・ユリッチ(ローダJC)は、新天地のオランダで徐々にフィットしてきており、本格的なブレイク間近と期待できる。
主力のケガもあってDFラインも、なかなか安定しない。ポスタコグルー監督は代表招集の度にイングランドの下部リーグでプレーする新しいDFを試すなど試行錯誤を重ねてきた。GKを含む守備陣の戦力充実が目的でのポスタコグルー監督の選手探索は、実にイングランド4部リーグの「リーグ2」にまで及んでいる。W杯2次予選を戦う現代表のバックアップGK候補として初招集されたアレックス・セサックは現在、リーグ2のレイトン・オリエントでプレーしている。
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