5大会連続で出場した五輪を逃す恐れも
今後もJリーグの合間を縫って10月、11月と短期合宿を行い、12月に入るとカタール遠征も行う。手倉森監督は戦術の浸透と戦力の再発掘を目指して、次回の短期合宿には30人規模を招集する意向だという。
本来ならばチームの完成度を高める時期に、ポジション的にはゼロに近い部分からチームを作り直すことも厭わない。ゼルビアに喫した黒星について、手倉森監督はこうも語っている。
「試合に勝ちたい思いはあるけど、そうはさせてくれないところに『メンバー構成をしっかり考えろ』『オレ自身がスイッチを入れないと、誰もこのチームのスイッチを入れられない』というメッセージだと思いました。本当にそこだね。次回からはJ1もJ 2も関係なく、正当に選手たちを呼んで活動できるキャンプがいよいよ始まる。やらなきゃいけない、と思いましたよ」
8月下旬にも、今回と同じようにリーグ戦の合間を縫って京都市内で短期合宿を実施。最終日に組んだ京都サンガとの練習試合で、1対2で黒星を喫している。
手倉森監督がその心中に、かつてない危機感を募らせていることは容易に推測できる。しかし、メンバーのシャッフルを含めた緊急手術は、大事な時期に差しかかったチームを混乱に陥れかねない。
笛吹けども踊らない選手たちと、危機感よりも焦りを増幅させた指揮官。負のスパイラルに拍車がかかれば、アトランタ大会から5大会連続で獲得してきた五輪切符を失う事態をも招きかねない。
【了】