選手に檄を飛ばした手倉森監督、軌道修正へ
もちろん、選手たちも五輪切符獲得に危機感を覚えている。
「ずっと前からそれ(危機感)はあるけど、焦ってもいいことはない。毎日それこそ1秒も無駄にできないという気持ちは常にもっていますし、それをより濃くしていきたい」
チームが立ち上げられた昨年1月のAFC・U‐23アジア選手権から背番号「10」を託されてきた中島が力を込めれば、心技体を磨くために今シーズンからFC東京へ期限付き移籍した奈良も続く。
「(ゼルビア戦は)受けて立ったというか、相手に飲まれたというか。でも、それらをはね返す意識をもっと強くもたないと。アジアで戦う相手は国を、それこそ命をかけてくるので」
AFC・U‐23アジア選手権まで、すでに4ヶ月を切った。ゼルビア戦後のミーティングで選手たちに「負けたという事実をしっかりと受け止めろ」と檄を飛ばした手倉森監督は、今後の方針を軌道修正する考えを明かしている。
「やるべきことが明確になった。とことん詰めていかないと点は取れないという練習をしたくなったし、しなければいけない。ある程度の選手を呼んでも、選手の組み合わせをしっかり練らないと凡戦になるということもわかった。
選手の選び方、組み合わせの作り方で、あと30%は(チーム力を)上げられるというのもわかった。次は(AFC・U‐23アジア選手権の)予選3試合がこんなゲームになると自分が描き、それを実践できる選手を呼ぶ。取り組まないと手遅れになる」
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