フットボールチャンネル

日本代表 9年前

五輪出場に黄色信号。笛吹けど踊らぬ選手と焦る指揮官。リオ世代は負のスパイラルへ

text by 藤江直人 photo by Getty Images

敗戦を悔やむ手倉森監督

五輪出場に黄色信号。笛吹けど踊らぬ選手と焦る指揮官。リオ世代は負のスパイラルへ
Jリーグ・U-22選抜で指揮を執った手倉森誠監督【写真:Getty Images】

 しかしながら、攻撃の形をほとんど作れず、コーナーキックからの一発で失点。そのシーン以外にもカウンターからピンチを招いた90分間を総括すれば、このひと言に集約されるだろう。

 笛吹けども踊らず――。

 コーチとしてベンチ入りし、実際に指揮を執ったU-22日本代表の手倉森誠監督は「メンバーを決めて、前後半のやり方を決めた段階で町田とは五分だと思っていた」と振り返った上でこう嘆いた。

「このチームを立ち上げたときから、守備に重きを置いている。いい守備からいい攻撃へというところで、今日も守備から入らせたのは間違いない。そこからいい攻撃というものが生まれなかったことに対して、(選手たちは)何を大事にして戦っているのかと感じました。結果的に歯がゆいですよね」

 特例で選手を招集した関係もあり、大島、岩波、喜田、浅野らは45分間しか起用できなかった。後半開始とともに岩波を含めた4人を投入し、システムをそれまでの「4‐2‐3‐1」から「3‐4‐2‐1」に変えた以外は、流れを変えるような采配を打てなかったのも事実だ。

 それでも、首位のレノファ山口と対峙した9月20日の天王山で一敗地にまみれたゼルビアに、サッカーの原点の部分で後塵を拝した。球際の攻防で後手を踏み、岩波、植田直通(鹿島アントラーズ)、奈良竜樹(FC東京)の長身DFで最終ラインを組んだ後半に、自慢の高さで競り負けてゴールを割られた。

1 2 3 4 5 6 7

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!