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日本代表 9年前

五輪出場に黄色信号。笛吹けど踊らぬ選手と焦る指揮官。リオ世代は負のスパイラルへ

text by 藤江直人 photo by Getty Images

あえて過酷な環境を与えているのに…選手からは泣き言

 昨シーズンのJリーグ・U-22選抜は12チーム中で10位。総得点37は8位、総失点63はワーストを記録した。Jリーグ関係者から、こんな話を聞いたことがある。

「練習時間が足りないとか、コンビが合わせられないとか、選手たちの声はどうしても言い訳が先に来てしまう」

 あえて過酷な環境を与えているのに、泣き言が出るようでは残念ながら成長は見込めない。今シーズンにおいては最下位に沈んでいるJリーグ・U-22選抜は、勝ち点を計算できる「草刈り場」でもあった。

 だからこそ、23日のゼルビア戦は異例だった。J1の試合が組まれていない状況を受けて、GK牲川歩見(ジュビロ磐田)を除き、J1の所属選手を招集してJリーグ・U-22選抜を編成したからだ。

 大島や岩波、さらには8月の東アジアカップで日本代表デビューを果たしているFW浅野拓磨(サンフレッチェ広島)は、本来ならばJリーグ・U-22選抜でプレーするレベルの選手ではない。

 一時的に突出したチームを編成することは、リーグ戦の原則に照らし合わせればアンフェアとなる。J2への昇格がかかっている2位のゼルビアは、おそらくは最もアンフェアを感じたチームとなるはずだ。

 それだけU-22日本代表の現状と今後に対して、日本サッカー協会及び首脳陣が抱えている危機感を物語ってもいた一戦。A代表のような国際親善試合をなかなか組めず、チームとして活動できる期間が著しく限定されてきた問題点を解消させたいという狙いも込められていた。

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