所属クラブで出番を得たのは喜田のみ。リオ世代に集まる不安感
リオデジャネイロ五輪への出場資格を持つ1993年1月1日以降に生まれた世代を不安視する声は、以前から決して少なくなかった。
所属するJクラブで、なかなか頭角を現さないだけではない。世界への登竜門となるU-20ワールドカップへの出場も、2013年トルコ大会、今年のニュージーランド大会への出場も逃している。
実戦経験が不足すれば、どんなに才能を秘めている選手でも伸び悩んでしまう。ちょうど大学生年代に当たる世代を、いかにして強化すればいいのか。日本サッカー協会の技術委員会も大きな危機感を抱いていた。
そして、J3を創設する機運が高まったことを受けて、チームの垣根を超えた選抜チームを特別枠でJ3に参加させるプランをJリーグ側に打診。Jリーグ・U-22選抜が結成された経緯がある。
J1及びJ2でベンチに入れなかった若手でチームを編成。すべてアウェーで戦い、試合前日の練習一回だけで実戦に臨む。厳しさをも身につけさせる強化策がスタートして、2シーズン目を迎えている。
その間で潜在能力を開花させて、晴れてJリーグ・U-22選抜を“卒業”。所属チームのレギュラーをゲットしているのは、J1に限定して見れば現時点で喜田一人だけと言っていい。